家庭教師と塾を併用するメリット・デメリットを徹底比較

中学受験や高校受験、大学受験と子どもが「受験」に向けて勉強するなかで、家庭教師や塾のどちらかだけでは不安なため、両方の併用を検討されているご家庭は珍しくはないです。

しかし、家庭教師と塾はただ併用すればいいというものではありません。せっかく家庭教師と塾を併用したのに結果がともなわず、保護者と子どもの負担になることもあるのです。

そこで、ここでは家庭教師と塾を併用したことで得られるであろうメリットと、注意したいデメリット、そして家庭教師と塾を併用するときに知っておくといいポイントをご紹介します。

家庭教師と塾を併用するメリット

家庭教師と塾は「勉強を教える」という点については同じものですが、そのための学習環境はまったく異なります。それだけに、両方を上手に併用できれば、様々なメリットが得られるわけです。

家庭教師と塾のいいとこ取りができる

家庭教師は1人の生徒に対して、1人の教師が教える「完全個別授業」です。そのため、教師は1人の生徒に集中して授業ができ、生徒は教師を独占できるので分からないところを気軽に質問できます。

対して、塾は周りにライバル(他の生徒)のいる環境です。模試の順位を貼りだすところも多いので、今の自分のレベルを客観的に把握しやすく、自然と競争心が刺激されて学習意欲が高められます。

このように家庭教師と塾ではそれぞれ魅力があり、併用すれば両方のいいとこ取りができるのです。

保護者の受験参加の負担を減らせる

受験では「保護者の協力が欠かせない」「親子二人三脚で臨むもの」とよく言われます。

これは子どもだけに任せていると受験に向けた勉強に、志望校の対策にとあれもこれもすることがあり勉強に集中しづらいためです。中には、無理しすぎたために挫折してしまう子もいます。

そこで、保護者が学習状況をコントロールしたり、志望校の情報収集をしたり、と子どもが勉強にだけ集中できる環境づくりをするわけですが、これらは保護者にとっても大きな負担です。

その点、家庭教師と塾とを併用すれば、主な学習状況のコントロールは家庭教師に、志望校の情報収集は塾に、のようにそれぞれに役割を任せられるので、保護者の負担を減らせるでしょう。

家庭教師と塾を併用するデメリット

家庭教師と塾を併用すれば子どもの学習環境をより良くすることができます。しかし、必ずしもメリットばかりではなく、両方の併用によるデメリットも考えられるので注意しましょう。

支払いが増え経済的な負担が増える

当然のことですが、家庭教師と塾を併用すればそれぞれに支払いが発生します。

家庭教師も、塾も、選択肢の幅は広いので頼むところによって費用の差はでてくるものですが、支払いが増えるということは、単純計算で経済的な負担は「2倍」になるわけです。

例えば、家庭教師と塾を合わせて月謝が10万円だとして、年間で120万円。たとえ受験の1年間だけだとしても相当な負担ですし、これが2年、3年ともなれば払えなくなるかもしれません。

教師の力量によって差が生まれる

「家庭教師であれば教師を独占できて学習状況をコントロールできる」「塾であれば周りにライバルがいて学習意欲が高めやすい」と両方を併用するメリットを伝えてきました。

しかし、これらはあくまで一般的なメリットであって、両方を併用したからと必ずしも得られるものではありません。というのも、結局のところ「教師の力量」が大きく影響してくるためです。

教師の力量が低ければ、完全個別授業の家庭教師でも子どもの学習状況を正確に把握できませんし、せっかくの塾もライバルのレベルが低ければ子どもの学習意欲は高まらないでしょう。

家庭教師と塾を併用するときのポイント

家庭教師と塾の併用にはメリットもあれば、デメリットもあります。しかし、デメリットのことをきちんと理解して、そしてポイントをふまえて選ぶことができればデメリットは抑えられるのです。

続けやすい料金設定のところを探す

先述したように、家庭教師と塾を併用すると、どうしても経済的な負担は大きくなります。

しかし、家庭教師と塾には大手のところもあれば、個人で経営されているところもあり、どこに頼むかによって料金設定は様々です。きちんと探せば「続けやすい料金設定」のところはあります。

体験授業で指導の様子を確認する

せっかく家庭教師と塾を併用しても、教師の力量が低ければ学習の成果は期待できません。

では、どうすれば教師の力量を確認できるのかですが、「体験授業」を受けます。最近ではおよそどこでも体験授業はあるので、何件か受けてみると教師の力量や子どもとの相性が分かるはずです。

目標を正確に伝えておく

両方を併用しても結果が出ない原因のひとつに、教師と生徒の意思疎通の不足が挙げられます。

教師は生徒の「意思」を尊重して学習内容を決めるため、正しく意思が伝わらないと必要な授業ができないのです。すれ違いが起こらないよう、最初の段階からしっかりと意思を伝えましょう。

まとめ

今回、「家庭教師と塾の併用」をテーマに、メリット・デメリットをまとめてきました。

家庭教師と塾を併用することで、両方のいいとこ取りができ、子どもにより良い学習環境を整えることができるでしょう。しかし、経済的な負担の増加のように注意点があるのも確かです。

家庭教師と塾を併用する際には、どこに任せるのかしっかり吟味することをおすすめします。

ただし、両方を併用するには子どもの「気持ち」が第一です。せっかく併用しても、子どもにやる気がないと結果は伴わないので、まずは話し合いをして気持ちを確認してあげてください。